子どものやる気の引き出し方より、やる気をつぶさない方が大事

子どものやる気の伸ばし方より、やる気をつぶさない方が重要

子どものやる気がなくて困っている、どうしたらやる気になってくれるの?と困っているママは多いと思います。私も、我が子には、どんな時も自分で目標を見つけて、それに向かって行動してほしいと思います。

いつまでも飴と鞭で親が手綱をもっていたら、子供は自分で自立できるのか心配になってきますよね。

子どものやる気を伸ばしたいとか、大人の方でも、毎日しんどい、つまらない、辛い、と感じている方に、この記事を読んでいただけたら嬉しいです。

目次

子どものやる気の引き出し方より、やる気をつぶさないほうが大事

本を読む少女

やる気をつぶされてしまった高校生たち

私は、高校教師として、やる気のない生徒を多数見てきました。そこから、なぜ一番夢や希望、可能性をもって世界に出ていこうとする高校生たちがこんなにもやる気がないのか、現在も研究中です。

色々な要因はありますが、大きな原因の一つに、学校や周囲の大人、環境からやる気をつぶされてきてしまったことがあります。

単位制の高校(自分で好きな授業を選べる選択授業があります)でそれを強く感じたエピソードがあります。幼少期にピアノを少しやっていたけれどやめてしまった、という子が多数、器楽のクラスを選択し、ピアノを一生懸命練習していました。「どうしてピアノをやめてしまったの?」と聞くと、「先生が厳しかった」とか、「私下手だから」とか、「練習が面倒だったから」、「ん~なんでかな。なんとなく…」と言います。

でも、もう一度ピアノを弾きたいという気持ちがあるから、器楽のクラスで、色々な楽器が選べる中、ピアノ(キーボード)を自ら選んでいるのです。そこでは、「できた!!」と目を輝かせて喜ぶ姿や、真剣に練習する姿がありました。続けていたら、きっともっと喜びや楽しみを見つけ、自信をもてたのではないかと思いました。

好きでピアノを始めたけれど、厳しい言葉や人と比べられるような場面、評価、先生の求める姿、親たちが求める理想を、子供の好きな気持ち、創造性よりも優先してしまった結果、子どもはやる気を失っていくのではないでしょうか。

レッスンではなく、自分で計画を立てて、自由に自分の好きな曲を選んで練習する、友達と音楽を楽しむ、という環境なら「もう一度ピアノをやりたい」と思って一生懸命集中して練習することができます。「なんでやめちゃったんだろう」「もっとピアノ弾けるようになりたかったな」という子も中にはいます。

また、どんな授業でも机に突っ伏して、ずっと寝ているような勉強嫌いの男子。元気があり、声も大きくクラスのムードメーカーで友達も多いです。どんなに「あなたの~~が素晴らしい」「練習すればできるよ」などとスモールステップで目標を提示したり、良いところをみとめても、素直に受け止められませんでした。ひねくれているというのがぴったりの表現で「どうせできねーし」が口癖のようにでてきました。大人は俺のことを分かってくれない、先生はどうせ俺をダメな奴だと思っている、というような彼の中の思い込みが強くあると感じました。

この生徒との出会いにより、高校生になってから子どものやる気を伸ばそうとするのは手遅れではないか、大人や社会に対する絶望感を教師として関わる中では改善できないと感じました。

これほどまでに勉強嫌いになってしまったのは、小学校からの平均に合わせるというような授業スタイル、分からないことをそのままにされてしまった経験、馬鹿にされた経験、興味関心がないことを覚えなければいけない、というような義務教育時代の負の遺産だと感じます。

子どものやる気を伸ばすには、幼少期からの環境・関わりが重要

子どものやる気を伸ばすには、家庭教育や親子関係、心身の健康が重要だと思い、とにかく自分の子育てに専念したかったので教師を退職。2人の子どもを出産し、下の子を3歳で幼稚園に預けるまでは、専業主婦としてずっと一緒に過ごしました。

0歳の時は24時間、1歳からは、起きてから寝るまでずーっと、とにかく一緒に遊んだりお出かけしたりして観察していると男の子、女の子の違い、性格の違いはあれど、子どもたちはどんな時もやる気に満ちています。0歳~3歳までの子供の成長は本当に目を見張るものがあり、子どもたちは全て、やる気をもっている生まれてきていると確信できました。

やりたいことは目を輝かせて行い、嫌なこと、悲しいことは全力で泣いて嫌だという気持ちを表現する、不安や怖れはママにぴったりくっつくことで安心を得る、などとにかく感情表現が素直で分かりやすい幼少期こそ、その子の好きなことやりたいことをたくさん体験させることができると思います。

色々な習い事をさせればいい、ということではありません。まずは身の回りの世界を知ること、自然の中で体験すること、五感を使って感じることなど、子どもが自分から自発的に行動できる体験がスタートです。

好奇心旺盛でやりたいこと学びたいことがたくさんある森の中をハイハイする赤ちゃん

人間の生命力、生きる喜び、学ぶ喜びというものは、本当は全ての子どもたちが持っています。0歳の時から、世界のすべてが新しく、知りたいという欲求からあちこち探索する赤ちゃん。1歳、2歳、3歳、と成長するにつれ、世界が広がり、遊び(=学び)は勝手に自発的に行われていくのです。

ですが、残念ながら、2歳、3歳、4歳などの低年齢でも何をして遊んでいいか分からない、ママがいないと遊べない、何もなくてつまらない、という子がいる、という現実も知りました。そういう子は必ずといっていいほど、スマホを要求したり、YouTubeを見たいとせがんだりしていました。自分で体験することをする前に、受動的で刺激が強すぎるエンタメに出会ってしまったというのは1つの要因としてあると思います。

0歳向け、幼児向けのものであっても関係ありません。メディアやYouTubeで見ることと、絵本を見ること、本物の生の音楽を聴くことと、CDやスマホの音楽を聴くことは全く別物です。

メディアやおもちゃ、習い事などの大人が用意する環境が子どもたちの意欲、やる気をなくしてしまっている例もたくさんあります。子供の成長には順番があるということを多くのママに知ってほしいです。

また、自分でやりたい!という気持ちが出てくる前に、あれこれ大人がやってしまったり、創造する時間、ぼーっとする空想の時間が十分に確保されずに、常に忙しくおもちゃを次から次へと与えられたり、スマホやYouTubeに親しんでしまうと、やりたい!という気持ちは育たなくなります。おもちゃの量や質、メディアの与え方=環境によっても子供たちのやる気はつぶされてしまいます。

本当は自分の中で物語のお姫様を空想する力があるのに、強烈な作られたキャラクターが先に登場してしまったら、イメージがそこに引っ張られてしまいますよね。大人でも、小説の実写化でがっかりした経験がある方は多いのではないでしょうか。

社会、大人の関わり、環境により、子どもたちのやる気はどんどん潰されてしまうということを知っていれば、やる気スイッチはどこ?と探す必要はなくなると信じています。原因は子どもたちにあるのではなく、子どもたちがやる気がなくなってしまったというのは、私たち大人の関わりや環境のせいで、単なる結果にすぎません。根性論で叱咤激励しなくてもすべての子にやる気はあるのですから。

子どものやる気はお家で伸ばす!大切にすべきこと

子どものやる気は生まれながらにしてある、ということを前提にして、なぜやる気がなくなってしまうか?というと1つの原因は、外発的モチベーションから、義務的にやらされるからです。~しなければならないから、しょうがないから、というという外的な要因から行動していると、次第に子どもやる気はどんどん失われていきます。

お母さんに言われたから、学校の先生にやれと言われたから、大学に行かないといけないから、好きなことでは食べていけないと言われた、親の期待に応えたい、完璧にやらないといけない、人より上手に完ぺきでなければいけない、そのように言われ続けると、自分の本当にやりたいことを諦めてしまいます。

もう1つは、考える暇も空きもないようなYouTube、スマホなどデジタルの世界との早すぎる出会いです。今の時代仕方ない、と諦めずに子どもの脳や体、精神が未発達な状態でのメディアの与え方について、一度考えてみてほしいなと思います。子供たちの現状を見ていると明らかに発達に悪影響が出ていると感じませんか?ゲーム依存だけがゲームやメディアの問題ではありません。

家で大事にしたいことは子どもの内発的なモチベーションです。0歳ならすべての子ができていた、やりたいことをやることです。

  • 自分のやりたいこと
  • 好きなこと・愛
  • 喜びを感じること
  • 心地よいこと
  • 楽しいこと
  • ワクワクすること

こういうやりたいという気持ち、ワクワク、楽しい、心地よい、喜びの体験が少ない子は、やる気を出すことはできません。やりたいことをやらせてもらえなかった、ダメと言われてきた子は、自分はダメだと思ってしまい、自己肯定感が低くなり、夢や希望を持てなくなります。

やりたいことをやっている子は、創造性やアイディアが次から次へと出てきますが、~しなければならない、という気持ちでやっている子は、どうにかやらないように工夫します(創造的回避)

例えば、子どもがずっと夏休みの宿題をやらずに色々な言い訳をする、というのが創造的回避です。学校からやりなさい、と言われた宿題を義務だと感じて、やならければならない、と思っている子はどうにかやらなくていいように行動します。

しかし、学校から出されてた宿題でも、面白そう!楽しそう!と思ってやる子は、楽しく宿題をあっという間にやることができます。

ただし、ゲームのような非現実的な興奮の中で感じるワクワクや楽しみはここでは子どものやる気を阻害するほうへ行ってしまいます。タバコや酒などと同じようなレベルで子どもの成長に悪影響になる桃だと感じます。

ここでいうやりたいこと、とは子どもの年齢や精神レベル、発達段階に合わせた体験です。本当に子どもが、自分の生活の範囲内で、手の届く範囲内で、心から自然と湧き出てくるような温かいやる気です。

楽しければ何でもいい、というわけではありません。

やりたくないことをやっていると自己肯定感は下がる

宿題をする子ども

やりたくないけど仕方なく、義務だから、やらなければいけないからやる、という行動を続けていると、自己肯定感は下がり、責任を他人のせいにするようになります。大学に入れなかったのは、親のせい、成績が悪くなったのは、環境のせい、先生のせい、時代のせい、国のせい…と人のせいにするのです。人のせいにすると自己成長することができないので、苦しみ続けます。

自己肯定感をあげたいなら、やる気をつぶさないことが大事です。やりたいからやるという行動ができている子は、自己肯定感が上がり、失敗しても次にどうしたらいいか考えます。もっとよくなりたいというモチベーションをもっているのでポジティブです。

また、ママのせい!友達のせい!と外に原因をみつけようとする子は、やりたいことができていないのかな?義務感でやらされていることはないかな?と注意深く観察してあげてください。きっと、子どもの立場になってみると、たくさん我慢していることがあると思います。人のせいではなくて、すべて自分のせいだ、と理解するには、動機が自分スタートでの行動をした結果分かるものです。

自分がやりたくてやった、でも上手くいかなかった、という場合、次はどうやったらうまくできるか?あれこれ教えずとも、自分の責任として考えます。

大人になっても自発的なやる気があるかどうかが幸福度を左右する

ハートの手と夕日で愛・幸せ・幸福を表現した画像

大人になっても、ネガティブな人は、自発的なやる気ではなく、外からくるモチベーションによって義務的にやっています。

  • 他人からの評価・報酬
  • 義務感
  • プレッシャー
  • ストレス
  • 不安や心配

このように「~しなければいけない」というマインドが強いと全く自分の力を発揮できなくなります。仕事も給料がもらえるから仕方なくやる、と思ってやると仕事の質は悪くなります。子育ても、愛や喜びから行うのではなく、親だからという義務感でやると辛くなってしまいます。

同じ行動や同じ行為をするときでも、自分のモチベーション、価値観、考え方次第で見え方は180度変わります。

失敗したら怒られるからやる、ということを子供のころからやっていた人は、大人になっても、評価されるからやる、報酬がもらえるからやる、というように外発的要因でしか行動できなくなります。

愛や楽しみ、喜び、やりたいからやる、という自発的要因から仕事や育児家事などができている人は、その行為がとても幸せで充実したものになり、毎日最高に幸せだと感じることができます。

なので、大人の人でもやる気がでてこない、毎日義務感でいっぱいという人はまずは自分の好きなこと、楽しいこと、ワクワクすること、愛を感じることを少しずつやってみてください。

もし、外的要因からくるモチベーションが多いな~という方は、思い込みや信念、価値観を手放すというのがお勧めです。やらなければいけないと思っていることをかき出すだけでも気づくことがあるかもしれません。

もし、子育ても仕事も、やらなければいけないことが多すぎて、がんじがらめになって動けない、どうやってもやりたいことができない!!子供のやる気がなくて毎日怒ってしまう…と悩んでいる人は、お気軽にご相談ください。

子どものやる気の伸ばし方より、やる気をつぶさない方が重要

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