【質問】しつけと甘やかしの違い?無条件に受け入れることの大切さ

親のしつけ、甘やかしの境目、親の関わりのポイント

子育ての講座で0歳の時の愛着が大事、乳幼児期に、子どもを無条件に愛すること、触れ合いが大事、安心感が大事などととにかく子どもへ愛を伝えることの大切さをお伝えしました。

ママから、「無条件に受け入れることと我がままを聞くの境目が分からない」「どの程度しつけをしたらいいか分からない」「甘やかしているのではないかと思ってしまう」など、しつけと甘やかしについて質問がありました。

多くのママが、「人に迷惑をかけないように」「しっかり自立できるように」「わがままな子にならないように」と思ってしつけをしているのかなと思います。この記事では、子どもの生きる力を育むには?幸せに生きるには?ということについて常に考えているさーやが考えるしつけと甘やかしについての考えを綴ります。

目次

しつけと甘やかしの違いとは

水遊びをする赤ちゃん

0歳の赤ちゃんに、しつけをするママはいないでしょう。「まだ何もできない、未熟な存在」と思っているからです。

では、いつ頃からしつけを気にし始めるかといえば、ご家庭によりさまざまだと思いますが、言葉が出てきてからとか、下の子が生まれてお姉ちゃんになってからとか、幼稚園に入って社会とのかかわりが増えてきてからということが多いと思います。

他の子は礼儀正しいのに、自分の子はできない、など人と比べてしつけをスタートすることもあるでしょう。

子育て支援ひろばなどへ行くと、小さい子でも「机の上にはのりません」など注意を受けることがあります。そういう他者から注意された経験などから、ママは「人に迷惑をかけないように」「社会に出たときに困らないように」という思いで、しつけを始めるのかなと思います。

ですが、しつけは本当にその年齢の子供たちに必要なのでしょうか?

子どもの発達段階に合わせてしつけをする

「何度注意しても治りません」「毎回、食事中遊ばない!」「早く片付けなさい!と怒ってしまいます…」という声をよく耳にします。

お子様にはラギングスキルというものがあります。ラギングスキルとは、いずれできるようになるが、今はできないことです。

0歳の赤ちゃんに「早く母乳を飲みなさい!」「今は寝る時間だから早く寝なさい!」とは言わないと思います。もし何度も注意しても治らないのなら、それはもしかすると子どもの発達段階でまだ難しい課題なのかもしれません。

幼稚園ではできるのに、家ではできない、ということもよく起こります。それは集団の力だったり、内と外との違いを感じているからだったりするので、「幼稚園でできるのだから家でもやってほしい!」というのは親が期待しすぎだと私は思います。家は子どもにとって、安心安全、何をしても認められる場、休息の場、平和で穏やかな場、自分を表現できる場ということを忘れないでください。

小さな子にとっても、幼稚園や外の社会と繋がるというのは、色々なストレスもあるものです。子どもは言葉にしないかもしれませんが、たくさんのことを吸収し、感じ取っています。なので家ではある程度”甘やかし”てもいいのではないかと私は思います。

年齢ではっきりと区切りができるものではないと思いますが、相手の気持ちが少しずつ想像できるようになるのは、5歳~、第三者の視点がとれる、自分を客観視できるようになるのは9歳~です。

なので、早い段階で厳しくしつけをすることは、もしかするとただ恐怖や不安で支配しているだけなのかもしれないと思います。

甘やかしは本当に甘やかしなのか?

甘やかしという言葉がありますが、それは本当に甘やかしなのか?ということをママには考えてほしいなと思います。

もし、しつけと称して子どもがまだ難しい課題を要求しているなら、それは強い言葉で言えば、教育虐待にもなりかねないのでは…と感じています。

私は、親は世間のルールや人の子との比較から子どもを守ること、つまり我が子の成長を「信じて待つ」姿勢や考え方も必要だと思っています。日本の社会が、子どもを持たない人や、ストレスフルな大人が多いせいで、純粋無垢で無邪気な子どもたちに厳しくなっているな…と思うので。大人の余裕がないことにより、子どもたちのありのままの姿を受け入れられない社会になっているのだと思います。

私は、子どもは子供らしく、今しかできない力を伸ばしてほしいと思っています。そのために、親は甘やかしをしてもいいのではないかと思うのです。

それは”甘やかし”ではなく、子どもを”認める、待つ、信じる”姿勢を持てているだけだと思います。今はできないけど、そのうちできるようになると信じて待つということです。

例えば、机に乗ってしまう子がいるとします。なぜなら子どもは高いところに上るのが大好きだからです。

木登りやジャングルジム、一本橋など、外遊びで高いところへ上るという欲求が十分満たされていれば、もしかしたら家の中で机やソファーの上に上ることはしないかもしれません。体が大きくなったら、机の上に上ることは何も楽しくなくなるかもしれません。机の上=勉強する場所、食事をする場所という区別ができるようになれば、登らなくなるかもしれません。

つまり、子どもが成長すれば、今無理やりしつけをしなくても、できるようになるのではないかと思うのです。注意しても注意してもやってしまう、という行為があるなら、それは本当にやめさせなければならない行為なのか?注意しなくても辞めさせられる方法はないか?という視点があるといいと思います。

机の上に乗るのが命に係わるくらい危険な行為なら、すぐに辞めさせる必要があると思いますが、それほど危険がないなら、家の中では大目に見てあげてもいいのではないでしょうか。

急いでしつけをしなくても、子どもは外ではできているかもしれません。机の上に乗るのは人の迷惑になる、友達が嫌がる、困るなどの経験をして、初めて「机の上はのってはいけない」と理解できるかもしれません。

相手を尊重する、愛する、大切にする気持ちさえ育っていれば、しつけを厳しくしなくても、成長と共に自然と人に迷惑をかけるような言動はしなくなるのではないでしょうか。

私の旦那は食事中の態度にとても厳しく、食事の途中で立ってしまうと厳しくしかります。それがしつけだと言いますが、何度言っても治りません。

ですが、学校やレストランなどの外ではしっかりと座って食事ができています。家と外を使い分けているのです。なので、私はまだ年齢的に、大目に見てあげてもいいやと思っています。

勝手にイライラして怒っているほうが大人は疲れるので、そういう場合、大人が自分の持っている価値観や基準を見直すだけで、問題は解決します。その問題は本当に必要な問題なのか?考えてみると、ママも子供も楽になるかもしれません。

無条件の愛、温かさ、平和、安心安全が最も重要

いたずらをする子、子どもらしい振る舞いをする子

子どもの生きる力の基礎となるのは、愛だと思っています。最近自己肯定感を育むという言葉をよく耳にしますが、自己肯定感というのは、自分は愛されている存在だ、自分はできる、と感じることです。

私はこの温かさ、愛は平和で安心安全な親子関係、家庭環境から育まれると思っています。0歳の赤ちゃんは親から抱っこされ、密着し、温かさを感じることで全身で愛されている、守られていると感じてスクスク成長します。

1歳になると、親から見守ってもらえているという安心感から、歩いて少しずつ親から離れて世界を探求していきます。この時に、命が危険なこと以外は、大目に見てあげることで、子どもの好奇心が伸びていきます。

2歳くらいになると言葉もでてくるので、親は言葉でわかってくれるだろうと思って早いご家庭だと色々なしつけが始まるかもしれません。3歳頃になり、下の兄弟が生まれたとしたら、「お姉ちゃんなんだから」「お兄ちゃんなんだから」と急に親の要求が高くなってしまうかもしれません。

子どもは何も変わっていないのに、親の基準が勝手に変わっているだけかもしれないという点を振り返ってみると、「これはいらないしつけだな」「甘やかしてもいいや」と思えることはたくさんあると思います。

愛情のタンクが満タンになっていますか?無条件の愛をたっぷり受け取った子どもは、経験を通して社会とのかかわりを学ぶことができます。

安心安全をまだ十分に感じていない、まだ不安や心配がある子どもは、挑戦する意欲、社会へ出る勇気、未知のものへ遭遇したいという前向きな力が湧き出ないまま、経験から学ぶ機会が減ってしまいます。

※甘やかし=何でも子どもの要求を聞くではありません。

子どもを甘やかしたら自立できないのか

子どもを甘やかすことで、ママは何が不安なのでしょうか?人に迷惑をかけるのではないか、自立できないのではないか、社会で上手くやっていけないのではないか、わがままになるのではないか、と心配なのだと思います。

私は逆に、わがままを認めてあげないと、いつまでも自立できないのではないかと思います。小さいころに、厳しくしつけられた子は、不安や恐怖を持ってしまいます。自分はダメなのだと自分を愛することも自信を持つこともできなくなってしまうかもしれません。

ただ、表面上はいい子を演じて、どういう振る舞いをしたら大人が喜ぶかということをよくわかっていて、子どもの時は「いい子」でいるかもしれません。ですが、そういう「自分を表現できなくなってしまった子」は、思春期になり、自分が何者なのかが分からず、進路を決められなくなったり、自暴自棄になったり、精神的な問題を抱えたりするかもしれません。

思春期になって問題を起こす子の中には、「いままでとてもいい子でした」「まさかあの子が」「なぜ急に変わってしまったのか分かりません」という評価を受ける子がよくいます。そういう子は、子ども時代に子供らしさを出すことを制限されてしまったという面が1つの要因として考えられます。

「子供のころに甘やかされなかった子」は自立すべき年齢になっても、親の愛を確認したくて、わがままで身勝手な振る舞いをしてみたり、いつまでの親に注目してほしくて、困るような行動をしたり、自信がない、安心安全がないために社会に出られなくなったりするのではないでしょうか。

なので、甘やかしたらわがままな子になるというのは、全てのケースに当てはまるとは言えないと思います。むしろ、甘やかしてあげたほうが早く自立し、自分を愛することができる(満たされている)ため、相手、周囲、社会へも愛を循環させられる人になると思うのです。

子どもは小さい子ほどしつけなどしなくても、しっかりと色々なことを感じ取って理解していると私は思います。そのために、あれこれ口で言ってしつけるのではなく、経験・体験が必要だと思います。

経験・体験から子どもは自然と社会での振る舞い方、相手への言葉遣いや態度を学んでいきます。真似るのが大得意なので、大人は子どもたちの手本になる必要があるし、子ども同士のかかわりも、同じ学年の子だけでなく異年齢での関わりが重要です。

甘やかし=子供の要求なんでも聞くではない

甘やかし、無条件の愛というと、なんでも子どもの要求を聞くことだ思うかもしれませんが、私は甘やかし=子供の要求を何でも聞くではないと思っています。

子どもの要求を何でも聞いていたら、子どもは世界は自分中心に回っている、ママは自分の要求を何でも叶えてくれると勘違いしてしまいます。

では子どもの要求をどこまで聞くのか、どこまで認めるのか、というと、大人がある程度明確な基準を持っていないといけません。

その時に、厳しくしかる、一方的に大人が指示する、のではなく子どもに親の意見を伝える、客観的に見たときにどう感じるかを伝える、道徳的な指針を示す、という姿勢が良いと思います。子供はしっかりと耳を傾けてくれます。厳しく怒ってしまうと、ただ恐怖や不安から耳を閉ざしてしまいます。

例えば、我が家はメディアを子供たちに見せていません。ですが、子どもから「YouTubeを見たい」と要求されることはありません。それはメディアについての親の考え方、意見を伝えているからだと思います。YouTubeが見たいのに見れない、というくらい厳しくしつけているのではないか?と思われるかもしれませんが、厳しく注意したことは一度もありません。

このように、メディアなど、幼少期の子供の成長にデメリットがあるな、と思うものなどは親が基準を示す必要があると思います。主導権は親に合っていいと思います。なぜなら、子どもはまだ判断力がない未熟な存在だからです。

親がしっかりとした基準を持っていれば、子どもは納得し、不安にならずに安心安全な環境で育つことができます。

親の言動がブレてしまっていると、子どもは不安になり、親を困らせるような要求をすることがあるかもしれません。子供はとても素直です。親の言動をよく見ています。

他にも、我が家のルールは食事の内容について一般家庭に比べたら制限が多いのですが、(市販のおやつはNGなど)お友達からもらったもの、皆で一緒に食べる時などはOKとしています。

親の基準といっても、絶対に守らなければならないという厳しいものでなく、例外があってもいいと思います。親の方針・基準、例外、どちらも経験することで、子どもは自分で考えることができるようになると思います。

市販のおやつを食べたら、気持ち悪くなったとか、YouTubeを長時間見たら疲れてボーっとしてしまったとか、そういう経験があるからこそ、しつけを厳しくしなくても、自然と親の基準、我が家のルールを大切にできるようになるのではないでしょうか。

失敗も成功も経験です。とにかく幼少期の時に、どれだけ子供らしく、自分らしく表現できたか、安心安全な場で自分のやりたい気持ちを育んできたか、様々な経験、本物とふれあい体験してきたか、がその後の将来に大きく関わると思います。

嘘を言う、隠す、1人で抱え込む

嘘を言う子、隠しごとをする子

子どもを厳しくしつけてしまうと、子どもは親に怒られたくない、心配をかけたくないと思って、自分の不安な気持ちや悲しい気持ち、ネガティブな感情を出せなくなってしまいます。

嘘をついたり、隠したり、1人で抱え込んでしまうようになるかもしれません。親が一番の味方だよ、何を話しても大丈夫だよ、という関係性になりたいと願うなら、厳しくしつけることが必要なのか?というのを見直してほしいと思います。

それはしつけと称して、ただ自分が子どもにしてほしいことを要求しているだけ、親が元気でなく、余裕がないために、子どもを無条件に受け入れられないだけかもしれません。

親も頼る人がおらず、1人で育児を頑張っているという人が多いので、子どもを受け入れる余裕がないのかもしれませんね。怒りたくないのに怒ってしまう、という声もよく聞きます。

感情的に子供を怒ってしまう、子どもへの要求が高くなってしまうなら、まずは親の心身の健康を見直すことをおすすめします。

昨今、日本は教育熱が過熱しており、書店には育児本が大量にあります。ですが、ネットや書籍の中には子育ての答えはないと思います。自分の子をしっかりと観察し、ママは自分の大切にしたいもの、軸をしっかりと持ち、長期的視点をもって子育てしていくことがママも子供も一番幸せになれる方法だ思います。

私は、お子様の気質、ママの気質をもとに、1人1人に合わせたお悩みの解決策を提案しています。もし、困っていることがあるなら今が一番改善が早いです。(思春期になってからだと時間がかかります)

成長と共に解決するだろう、と思っていたらどんどん悪化してしまった、というのはよく聞く話です。(もちろん、成長と共に解決するケースもあります)

何か困ったことがあるなら、それは子どもから、ご自身からのサインです。見逃さずに今すぐ対処していきましょう!

親のしつけ、甘やかしの境目、親の関わりのポイント

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